Paradise Jack
-見る夢があまりにもリアルで、時折夢と現実との境が酷く曖昧に感じることがある。
今、まさにそんな感覚だった。
まだ夢の続きを見ているような、現実感がまるでない。
いつの間に眠ってしまったのだろう。
時刻は早朝の6時だった。
カーテンの隙間からは細く光が差し込んでいる。
同じ体勢でソファに寝そべっていたせいで身体が怠るい。起きあがったときに、ばさりとブランケットが床へ落ちた。(どうやら、シュウがかけてくれたらしい)
「・・・シュウ?」
彼女が寝ていたはずのベッドはもぬけの殻だった。
寝室を出て、部屋を見渡す。
よくよく見れば、リヴィングとワークデスクとを遮るシアーカーテンに人影がうつっていた。
-体調悪いのに酒なんか飲んで、今度はこんな朝早くから何をしてるんだか。