Paradise Jack
『なんて、大物ぶって我侭言ってみたりして。別にいいよ、今日の午後はずっと家にいるから何時でも』
「…えっ!?本当ですか!」
『何よ。そんなに驚くこと?』
「ええ、まあ…。てっきりいつもみたいにバッサリ断られるものかと思ってましたから。それじゃあ、15時にお伺いしても大丈夫ですか」
『ハーイ、了解。お待ちしてます』
ぶつりと電話が切れて、暫し呆然とする。
"大物ぶって我侭"って、そんな態度をしたことなんて一度もないシュウだけれど、こういう申し出に対し頑として了承することはなかったのに。
ホッとするというよりは、どこか腑に落ちないような、自分でも理解し得ない感情に首を傾げた。