Paradise Jack
だから、変態で、ムカつく野郎だけれど仕方ない。
静香が、言うのだから。
「…言わないわよ、わたしも。ねえ、芹生?」
薫子さんと傍観者を決め込んでいた芹生は、こくりと頷いて、微笑んだ。
「501号室の、小林シュウよ。どうぞ宜しく、桐生さん」
「…桐生でいい。宜しく、アラレ…じゃなくて、シュウ」
「いきなり呼び捨て!?」
わたしの抗議をさらりと無視して、芹生に向かって小さく頭を下げた。
「…話、聞いた。昨晩は迷惑掛けて悪かったな」
「あは、いいよ。まさかあの美女が男だとは思わなかったけど。また、先生たちと飲みにきてくれ」