Paradise Jack
「確か、シュウの担当、だっけ?」
「ええ。蒼井静香です」
「…あの女のパートナーって、…大変そうだな」
しみじみと呟く桐生。
出会ってからの短期間で、いったい何があったというのか。
「女性としての生活は慣れましたか」
「…あえてそこから聞くか?やっぱり、シュウを担当してるだけあって、性格悪い」
「一番、気になるところですから」
桐生は、ドアの鍵をかけて、二度三度施錠の確認をする。
よくいえばレトロで、それゆえにセキュリティは万全とは言えないアパルトマンだ。
ハリウッドで人気を博した彼にとっては、いくら正体を誤魔化しているとはいえ、不安ではないのだろうか。