悪魔の恋
「420円になります。」
‐ありがとうございました
またお越しくださいませー
店を出る。
「ちっ。地味に高かったな。」
和樹が言う。
「あたしも思った(笑)」
「けどまぁ、一年に一回だしいっか」
和樹は優しい。
昔から変わらない。
「あ!今日のお礼に何かおごってやるよ。」
やった♪
「んじゃ服と靴とあと文具とね‥。」
「しゃしゃんな。」
「ふっ」
道を歩いていくと、団子屋があった。
「おいしそう。」
「じゃ、団子おごってやる。」
「ありがとう。」
そういって和樹は団子を二本買った。
「随分安いおごりだね」
「おごりは値段より気持ちが大切だぜ♪」
だれこいつ(笑)
あ、だけどこの団子めっちゃ美味しい。
「超美味しい♪」
「だな。」
やば、沈黙とかきつい!
「っと‥和樹彼女出来た?」
ちょっあたし何言ってんのーー!
和樹は少し驚いたようだった。
「彼女なんていないよ。」
へぇ。
愛子、いい情報手に入れたよ。
「だけど好きな人くらいいるぜ」
「え!?」
あたしは思わず大きい声を出してしまった。
「なんだよ。悪いかよ。」
「いや、違っ!意外と思っただけ‥。」
いるんだぁー。
‥ま、いてもおかしくないか。
誰だろ、和樹の好きな人。
「和樹の好きな人だれよ〜!」
あたしが聞くと和樹は照れる。
「しらねーよっ」
愛子だったりして?
「タメタメ?」
「‥」
「そんくらい教えなさいよ。」
「‥ん、タメ。」
へ〜え♪
和樹の好きな人はタメかあ。