悪魔の恋

見るとあたしと同い年くらいの男の人がおじさんの腕を掴んでいた。


これって…。



「な、なんだいきみは。腕が痛いじゃないか」

「おじさん今手の位置おかしかったよー?」



男の人は笑顔で、だけどどこか厳しくおじさんを見た。




「な、なにを…漫画を探そうとしてただけだぞ。」
「そのわりに手が彼女に近付いてたけどぉ?」



あたしに近付いてた…?
これって…

まさかのまさか?



「何もしてないだろう!離せよ!」



そう言っておじさんは男の人の手を振り払って古本屋を出た。





「おいー!」

男の人は首だけおじさんを追った。



「あ、あの…。」
あたしは恐る恐る声をかけた。



「あ、君ね痴漢されそうになってたよ。」

「あ…。」



やっぱり〜〜〜〜!
く〜〜〜恥ずかしい(><)




「あ、ありがとう…ございます。」
「いーよ、いーよ、君可愛いから狙われたのかもよ。」




ニコって笑って彼が言う。



わ…すごいこと言うなぁ。
女の子に慣れてんのか。




「いや…。だけどありがとうございました、じゃあ。」

「ちょっと待てよー♪」



男の人はあたしを呼び止めた。



「はい?」
「俺君のこと気に入った♪友達になろ!」



すごいストレートな人だな。
普通に照れる。



「照れてる〜?」
「ち、違いますっ」


なんか調子狂う!




「あっ俺坂間れお!君は?」
「前田玲羅です。」
「玲羅ちゃんか!」




玲羅ちゃん…
そういや和樹も最初玲羅ちゃんなんて呼んでたなぁ〜

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