ただ好きなだけ
絡み合う糸のように…

健吾との時間



その日、何か暖かいぬくもりを感じて夜中、目を覚ますと、私は健吾に抱きしめられていた…。

未「久しぶりだ…」


思わず溢れた言葉に、健吾が「ん…」と言って目を覚ました。
久しぶりに感じた。
健吾のぬくもり。
健吾の香り。
健吾の視線。
健吾の鼓動。


いつぶりだろう。


そんなの、もうどうでもよくなる。


ずっとこのまま続けばいい。
ただ、そんな風な思考回路しか回らない。


マイナスなことも、全て吹き飛んでしまう。
色んな不安が渦巻いていたのが、嘘のように。
私は、ギュっと健吾に抱きついた。
これでもか!!ってくらい、力いっぱい。


健「未愛、苦しいよ」


そんな健吾の声が嬉しそうに聞こえたのは、私の勘違い?
私に会えたこと、健吾も同じように嬉しいと感じてくれているのだろうか。
きっと、そう。
そう思える。


そして、健吾も私をギュっと抱きしめて、大スキな大きな手が私の髪を撫でる。
この瞬間が私は大好きだ。
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