ただ好きなだけ
会場が暗くなり、女の子達の歓声がどこからともなく湧き上がる…。
パッと光が差す方向には、今まで見たこともないような健吾が立っていたんだ…。
甘いバラードを歌う目の前の健吾。
いつも私の隣で笑ってる健吾。
同じ健吾のはずなのに、全然、違う健吾みたい。
未「あぁ、有名人なんだ…」
そんな当たり前の私のつぶやきは、横にいる愛李や賢治に届く前に、女の子たちの歓声に掻き消されていった。
本当に健吾?
私の彼氏?
健吾はバラードをしっとりと歌い上げる。
会場にいる女の子全てに捧げる歌のように…。
この曲を歌う健吾の脳裏に私は一瞬でも思い出されるだろうか。
こんな恋の歌、私は迷わず、健吾の顔が浮かぶけど…
健吾はどうだろう。
今、目の前にいるファンにやっぱりこの歌を捧げるのかな?
私ではないかな?
未「健吾、私ここにいるよ」
聞こえるはずのない声を出してみた。
けど、消えてなくなる。
健吾に届くはずはなくて、数十メートル先に健吾がいるのに…
特別な関係のはずの健吾なのに…
果てしなく遠い存在の人みたい。
パッと光が差す方向には、今まで見たこともないような健吾が立っていたんだ…。
甘いバラードを歌う目の前の健吾。
いつも私の隣で笑ってる健吾。
同じ健吾のはずなのに、全然、違う健吾みたい。
未「あぁ、有名人なんだ…」
そんな当たり前の私のつぶやきは、横にいる愛李や賢治に届く前に、女の子たちの歓声に掻き消されていった。
本当に健吾?
私の彼氏?
健吾はバラードをしっとりと歌い上げる。
会場にいる女の子全てに捧げる歌のように…。
この曲を歌う健吾の脳裏に私は一瞬でも思い出されるだろうか。
こんな恋の歌、私は迷わず、健吾の顔が浮かぶけど…
健吾はどうだろう。
今、目の前にいるファンにやっぱりこの歌を捧げるのかな?
私ではないかな?
未「健吾、私ここにいるよ」
聞こえるはずのない声を出してみた。
けど、消えてなくなる。
健吾に届くはずはなくて、数十メートル先に健吾がいるのに…
特別な関係のはずの健吾なのに…
果てしなく遠い存在の人みたい。