ただ好きなだけ


……幸せ?
そんな質問を初めてされた私はもちろん戸惑ったし、
幸せなのかを考えたら、やっぱりさっきの健吾への気持ちが
私の幸せを揺るがしてるのは確か。
でも、事実は言わない。


未「幸せだよ?」


愛李や、もちろん賢治のような友達もいる。
好きな大学に通って
行ってみたい所に行って
やってみたい事やって
毎日充実してる。
これって幸せな事でしょ?

欲を言えば、隣に健吾が居て欲しい。
不安にさせないで欲しい。
孤独にしないで欲しい。
そんな風に思うのも事実だけど…
こんな風に思う私は欲張りなだけ。


賢「本当に?」


まるで、私が嘘を言っていると言わんばかりに賢治は問いただしてくる。


未「本当だよ。どうしたの賢治。」


賢治は一歩一歩、私に近づいて、「こんな未愛、見たくない」そう呟いた瞬間、賢治はギュッと私を抱き締めていた……。
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