ただ好きなだけ
そんな時、私の携帯が誰かからの着信を知らせる。
ディスプレイには、“健吾”の文字。
さっき、あのステージで歌っていた健吾からの突然の着信。
さっき、賢治に告白されて
その答えから逃げた最低な奴。
そんな私は不謹慎にも、その着信が嬉しくて仕方なった。
いつぶりだろう……。
さっきの現実も、
不安や孤独も、
こんな些細なことで、影に隠れてしまう。
未「ごめん、電話」
そう言って、ひとごみから、離れて、通話ボタンを押すと
―――――――健『今、どこ?』
そう聞こえてきた健吾の声はいつもの優しい声ではなくて
さっき、ステージで聞いた甘い声でもなくて
イラついた声。
その声に戸惑う私は「………えっと」と答えに詰まってしまった。
健『未愛?どこにいんの?…………ま、いいや。パス出したから楽屋まで来て』
そう言った健吾の言葉を疑った。
“パス出したから楽屋まで来て”?
健吾……知ってんの?私がライブに来たこと。
ディスプレイには、“健吾”の文字。
さっき、あのステージで歌っていた健吾からの突然の着信。
さっき、賢治に告白されて
その答えから逃げた最低な奴。
そんな私は不謹慎にも、その着信が嬉しくて仕方なった。
いつぶりだろう……。
さっきの現実も、
不安や孤独も、
こんな些細なことで、影に隠れてしまう。
未「ごめん、電話」
そう言って、ひとごみから、離れて、通話ボタンを押すと
―――――――健『今、どこ?』
そう聞こえてきた健吾の声はいつもの優しい声ではなくて
さっき、ステージで聞いた甘い声でもなくて
イラついた声。
その声に戸惑う私は「………えっと」と答えに詰まってしまった。
健『未愛?どこにいんの?…………ま、いいや。パス出したから楽屋まで来て』
そう言った健吾の言葉を疑った。
“パス出したから楽屋まで来て”?
健吾……知ってんの?私がライブに来たこと。