ただ好きなだけ
未「私のことはいいの。それより、愛李は本物の恋人を探すべきよ。芸能人なんて現実味ないじゃん!!」


今、私は笑えているだろうか。
芸能人なんて現実味ない。
そうだ…。
住む世界が違う。
健吾が仕事を始めて、一緒にいる時間が少なくなるからと一緒に住み始めたマンションにすら、健吾は帰って来ない。
広い2LDKに残される私の気持ちなんて知らない。
仕事が落ち着いたら、結婚しようって言ってもくれた。
今まで1番に大事にしてくれた私のポジションには今は“仕事”が君臨している。
じゃ、私は今、何番目にいるのだろう。


愛「じゃ、未愛も今度の合コン行く?イケメン揃いらしいよ?」


未「え、いや…私は、いいや…」


愛「人には恋しろって言うのに、未愛だって恋してないじゃん!!大学入って、1度も未愛の恋バナ聞いてないんだけど!!」


不安になるなら、別れてしまえばいい。
過去に交わした約束さえ、疑うなら、別れればいい。


でも、今でも別れられない私は心底、バカかも知れない。
たくさん泣く。
健吾の言葉に泣いて、健吾のスキャンダルに心を揺さぶられる。
何度も傷つく。
でも、私は健吾の彼女でいたい。
大好きだから…。


未「私は、恋をしたい気分じゃないの!!」


愛「あ!!また、逃げる~」
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