ただ好きなだけ
私は、いつ帰ってくるのか、
帰ってくるかさえ分からない健吾を家でじっと待ってることが出来なくて散歩にでかけることにした。


ラッピングされたケーキを残して、外に出ると


ドクン


って胸が大きく波打つのが分かった……。


だって……


「こんにちは」


帽子を深くかぶって、大きなサングラスを少しだけずらして、微笑んだのは


この前、健吾と熱愛報道を取り上げられた彼女だったから。
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