ただ好きなだけ
未「え?」


愛「不謹慎に思ったら、悪いんだけど。未愛があんな風に感情を露わにしたの初めてだったから、嬉しくって」


そう言った愛李の笑みは
やっぱり、優しくて、温かくて。


愛「ずっと一緒にいるのに、なんて言うのかな、未愛の本当の気持ちとか知らないこと多くて、私、何気に悲しかったの。だから、あんな風に未愛が私に頼ってくれたこと、嬉しかったんだ」


私は、必死に健吾との恋を守ってきた。
その裏側には、こんな風に感じて
色んな思いをしながらも
何も言わずに見守ってくれた友達がいた。
それに気付くのも遅すぎたね。
ごめんね、愛李。
ありがとうね、愛李。


愛「親友なんだからさ?」


そう笑う愛李に私はまた涙出ちゃった。
本当によく泣く日。
でも、今の涙は……悲しい涙じゃないよ。
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