ただ好きなだけ
愛李はただ、“うん”とだけ相槌を打つだけだった。


未「大好きだったんだ。でもね、同じくらい苦しかった」


愛「あんなに泣けるくらい大好きな人がいたこと、そんな恋ができたこと、素敵だね」


涙が溢れて、頷くことしか出来なかった。


本当に、素敵な恋だったんだよ。
たくさんたくさん幸せをもらった恋だったから。
たくさんたくさん笑った恋だったから。

泣いた事、悲しんだ事、寂しかった事、不安だった事も多かったけど。

健吾、やっぱり、あなたには“ありがとう”しかないよ。

逃げ出したこと、ごめんね。


これからは、私たちは別々の道を歩む。
一緒に作った楽しい思い出も作れない。
でもね、健吾。
やっぱり、あなたとの恋は素敵で
私の一生の宝物。


未「うん、素敵な恋だった」
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