ただ好きなだけ
愛「やっと、未愛も恋する気になったの~?まぁ、ちょっと遅いけどね~」


そう言って、愛李は広げた雑誌を食い入るように眺めていた。


遅い……よね。
半年、過ぎてるのに。
しかも、この状況にしたのは自分なのに。
なのに、全然、一歩たりとも、前進してない。


未「あ、もう行かなきゃ」


愛「今日、内定もらったところに行くんだっけ?」


未「うん、行って来るね」


私は出版社から内定をもらった。
健吾と終わって、がむしゃらになりたくて
その集中を全てを就活に向けた。
そして、いただいた内定は、出版社。
ちょっとした健吾との繋がりがあるかも知れない世界に飛び込んだ私は、本当に愚かかも知れない……。
垣間見える、私の心の奥の奥の気持ち。
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