ただ好きなだけ
未「何で、来ないの~」


バス停の時刻表とにらめっこしてる私。
もうバスが来てもおかしくない時間なのに
いっこうにバスが来る気配がない。
どんなに時刻表を見たところで、現実は何も変わらないところに「よく、遅れるんだよね、この辺のバス」そう声をかけてきたのは、男の子。


未「そうなんだ」


振り返って、そう言うと、何故かその男の子の目が点に。
そうとう驚いてしまってるようで、声も出てない。
そして、何故か次第に頬が赤く染まって行った……。
熱い……せい?夏、だしね。


未「あ、やっと来たよ」


彼の肩越しに見えたバス。
そしたら、彼も振り返ってバスを確認した。


「一安心だ」


そう言って、手でパタパタ仰ぎながら呟いた。
……一安心?
彼も、遅刻しそうだったのかな?


未「本当によかったね」
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