ただ好きなだけ
拓「ねぇ、未愛ちゃん。どう?この後、飲みにでも行かない?」


未愛と呼ぶ声が、違う。
それで、やっと浮かんでいた健吾の記憶は消えた。


未「いいね。同期よろしくってことで」


拓「よし、じゃ、俺のオススメのところでいい?」


もう6ヶ月経った。
健吾は、この夏、恋をしてる。
進んでいるんだ。
私も、もう進まなきゃ。


私は、先を歩く拓海くんと肩を並べるために
歩く速度を速める。

うん、こんな風に少しだけ、歩く速度を速めよう。
きっと進めるから。頑張ろうって。
私は、初めてそう思えた……。
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