ただ好きなだけ
ニコニコ笑ってる拓海くんに近づいて私はあることに気がついた。


未「あれ、拓海くん、ギター弾くの?」


そう、拓海くんは肩からギターをかけていた。


拓「あ、そうなんだ。野球の休みとかに、みんなでバンドやってて、今日も練習の帰りだったんだ」


そう言って、照れたように「全然、下手だけどね」とハニカんだ。


未「へぇ~、凄いね」


拓「聴きに来てくれたり……する?」


未「え?行っていいの?行きたい行きたい」


そう言うと、拓海くんはいつもの笑顔で、私にチケットを1枚くれた。
そのチケットを見つめながら、私は笑みを抑えることはできなかった。
楽しみで、楽しみで仕方なかったの。
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