嫌がらせが何日か続いたある日のこと。
自分は何を思ったのかゆっくりした動作で椅子を掴んで、Aを殴ったのだ。
幸いAは咄嗟に避けようとしたためクリーンヒットはしなかった。



だけど額からは血が吹き出していて、椅子には真っ赤な血がついていた。

何人かの女子の悲鳴も聞こえたが、もはや耳には入らない。
他の人達の様子ははっきりとは覚えてないが、たぶん呆然としていた気がする。


Aは自分の血を見てパニック。
そんなAを椅子を持ったまま無表情で見つめる自分。




何も、考えていなかった。




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