Natural
姫は理由を聞いたということは絶対に言わないでおこうと思った。

言いたくない、知られたくないことは誰にだってあるから。

そして毎日誰かがこの家に来ていたことを話した。

姫『今日はわたし久々にりんごに会いにいこうと思って毅の家行こうとしててさ、ついでにこの家の前通ってもらったら美紗子の車があるんだもん。その瞬間止めてもらって走ってここ来たよ。まじびっくりした。』

また涙ぐみながら話す姫の姿を改めてじっくり見た美紗子は姫にギャルだった頃の面影がまったくなく、髪も伸びてかわいい女の子になってるなと思った。

美『ごめん、心配かけてたみたいだね・・』

そう言うと

姫『やべ、まだあいつらに美紗子がいること言ってないし!!まだ仕事中だろうからメールしとこっかな。』

そう言いながら姫は泣きながらだが、すごい笑顔を見せた。

姫はメールで【今ね、りんごのとこ行こうとしてついでに美紗子の家の前を通ったら美紗子の車があったの!部屋に入ったら普通に美紗子いた。しかも記憶があの日の前日までしかないっぽい。一刻も早く家に集合!!】

と3人に一斉にメール送信した。

そして、

姫『美容室いこっか!あんたその髪の色で毅に会いたくないっしょ?』

そう言って姫は美紗子の髪の毛を上から見た。

美『うん…ありがとう。そだね・・』

そう言ってまずシャワーを浴びて化粧を始めることにした。

その間、姫に

美『ね、姫。姫は大丈夫なの?あの…ことさ。』

姫は不倫相手のあの事件だとすぐ思った。

姫『まだ思い出すとちょっと辛いけどもう大丈夫だよ。誰かさんのせいでそれどころじゃなくなったし?今は実はさ・・竜次と・・』

そう言って黙る姫に

美『えぇー付き合ってるの!?』

美紗子は叫んで姫を見ると姫はヘヘッと笑った。

そんなとき、姫の携帯がけたたましく鳴った。

着信は毅だった。
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