Natural
家に帰り、毅の携帯を開いた。

写真を見るといつもの5人の写真、りんごの写真、野球の写真。

色々なものがうつっていた。

それを1つ1つ見るたびこみ上げてくる悲しみをこらえ切れなかった。

そして自分も消え去りたいという思いでいっぱいになってきた。

それから、悪いと思いながらもメールを開いた。

毅の受信メールは本当に女の子からのメールがほとんどなかった。

ほとんどが美紗子。

そして野球の仲間。

中身はあまりみらず、次は送信メールを見た。

毅が考えて作った文。

途中に竜次と毅は何度かメールをやり取りしていた。

【買ったんだ。いよいよだね。いつするの?俺はGW(ゴールデンウィーク)明けにはするよ。指輪ももう買った。】

このメールは5日前のものだった。

”なになに?!指輪!?する!?”

そう思いながらその前の送信メールを見た。

【早くずっと一緒にいたいから結婚するんだよ。プロポーズまじ緊張。指輪は買った?】

”プロポーズ・・・結婚・・・してくれる予定だったの・・??”

涙が零れ落ちるのが止まることはなかった。

美紗子は家を飛び出し、車に飛び込み毅と行ったことのある海へ向かった。

”無理、我慢できない。あなたのいない世界なんて生きていても意味がない。早く会いたい。”

その一身で海へ車を飛ばした。
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