Natural
海水でベタベタしていたということもあり、お風呂を借りてシャワーを浴びた。

一人でいるとみんなのことを思い出し髪の毛から流れてくる水滴と一緒に涙も流した。

そして風呂場から出て改めて2人にお礼を言った。

美『わたし、井上美紗子といいます。ほんとにありがとうございました。ご迷惑をおかけしてすみません。』

男は美紗子がシャワーを浴びているときに自殺しようとしていたことを姉に話していたらしく

姉『自殺なんてするもんじゃないよ。あんたが死んでもなんにもならない。生き抜くことが大切なんだから。』

と言った。

男『理由は聞かないからもうお前寝ろ。』

そう言って隣にある姉の部屋に案内された。

だが、美紗子は吐き出したかったということもあり2人に簡潔に話した。

彼氏と大切な友だちが事故で3人とも亡くなったこと。

大切な女の子の友だちも彼等を追って自殺したこと。

彼氏がもうすぐプロポーズをしてくれるはずだったこと。

それを聞くと姉のほうが抱きしめてくれた。

美紗子の涙を見てもらい泣きまでしてくれていた。

男は

『だからと言って自殺するのは間違い。そいつらの分まで生きろ。』

と冷たく言った。

そして姉に連れられ部屋に行き布団に入った。

辛い状態だったのだが、疲れていたのか目をつぶるといつの間にか美紗子は眠ってしまった。
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