Natural
翔の行き着けの居酒屋へ行き、カップルシートのような小さい個室に通された。

そこはギリギリ2人くらいしか座れないスペースに密着して横に座るような部屋だった。

まさにカップルにとっては最適の席。

そこで色々頼み、ちょっと店員が来ないかハラハラしながらキスをしたりした。

ちょっと胸を触られていたときに店員が食べ物を運んできて気まずかったりもした。

だがそのスリルが翔も美紗子も楽しくて何度もやっていた。

何度キスをしたかわからないほど。

幸せの絶頂だった。

そこで結構飲み、それでももう一軒飲もうということになり移動をした。

美紗子も翔も相当酒が好きだ。

店を出て2軒目へ向けて歩いていると途中で見た顔が前にいるのを気付いた。

竜次だった。

男だけの集団で顔が赤い人、千鳥足の人いろいろな人たちで歩いていた。

”ゲッ、竜ちゃんだ・・・うわ、もっくんも発見!!お願い、見つけないで~・・”

と思っているとその5歩くらい後ろに毅の姿が。

美紗子たちは手も繋いでいるし、美紗子のバッグも翔が持っている。

どう見ても恋人同士だ。

”気付かれたくない・・”

素直にそう思ったとき、毅と目が合った。

間違いなく。

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