神が支配する世界
海斗の頭に鉄の塊が当たったような衝撃が走った。
「そうなんだ…」
俯いていた母が顔を上げる。
「…海斗の本当の…母親は…海斗と一緒に暮らしたいそうなの…」
その言葉は、心の奥底にのしかかる。
「そう…」
「海斗大丈夫か…?」
父が海斗の顔を覗き込む。
「大丈夫…俺はどうすればいい?」
毅然(きぜん)とした態度を取ってみたものの、心の内では、自分が捨てられるのかもしれない、という不安がどんどんと増大していく。