神が支配する世界
ご飯を持ってた母がやってきた。
「ちょっと止めなさい!お父さんも止めて!」
母が慌てて仲裁に入る。
「ははは!!元気でいいじゃないか!」
父は、ニコニコと笑って二人を見つめた。
「んもぉ~!お父さん笑ってないで止めてよね!!」
母が、膨れっ面で父を睨む。
その姿に可笑しくなった海斗と拓斗は、声を上げて笑った。
この風景を見ると、仲が良い家族に見える。
しかし、海斗にとってはただの他人。
本当の家族ではない。
そう考えると、海斗は泣きそうになった。
しかし、そんな所で泣けるわけないと感じた海斗は、唇を噛みしめ涙をこらえた。