空ノ唄




「ある女の子の親は毎日喧嘩ばかりしてました。
 


 お母さんは男をつくって出て行き、





 お父さんは女の子に

 
 散々暴力を振るったのち、

 女をつくって出て行きました」




私の目をみて真剣に聞いている。

ただの昔話なのにさ…



「そして、家に残ったのは

 暴力を振るう兄のみ。



 女の子は毎日毎日、

 蹴られたり、殴られたり、



 今もその苦痛に耐えるのでした…




 昔話はこれで終わり。どう?満足?」






私は泣くのを我慢して一気に喋った。



だけど、話し終わったあと、

私の眼には涙が浮かんでいる。



必死に溢れるのを堪えていた。





< 16 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop