空ノ唄
足音がだんだんと近づいてくる。
そして突然、カーテンが開いた。
私の眼に映ったのはスーツに白衣を着て、
眼鏡を掛けている人だった。
「あ、ごめん。寝てた?」
慌ててカーテンに手を掛けて閉めようとする。
「俺、宮下新。今日からここの先生」
そう言い残すとカーテンを閉めた。
誰が先生だろうと関係ない。
大人にはなにも期待してないから。
大人なんて、みんな同じだから。
宮下という男が来てから、数十分後。
廊下が騒がしくなったと思ったら、勢いよくドアが開いた。