空ノ唄


次の日の朝、

私は学校に来ると保健室へ向かった。



ガラッ―



思いっ切りドアを開けた。



「おぉっ!びっくりしたぁ…。
 北川か。おはよ」


中に入ると宮下がマグカップを片手にパソコンに向かっていた。



「どうしたぁ?
 …って、口元の絆創膏、
 どうしたんだ?転んだ?」


私が口元に絆創膏を張ってるのを見て言った。



  あぁ、そういえば

  昨日、お兄ちゃんに殴られたな…



「殴られた…」


言うと、私の前に来て頭を撫でてきた。







「頑張った…」


  


  ほら、また欲しい言葉をくれる…





「…いつものことだし」



強がっていうと、フッと笑った。








「あのさ…昨日のことなんだけど…」


聞くと、首の後ろを触りながら



「カッコ悪いとこ見せちゃったなぁ」


って言った。




「なんで、泣いてたの…?」




誰もが思うだろう質問をぶつけてみた。




宮下は優しく微笑んだ。


不覚にもドキッとしてしまった。




「知りたかったら、
 放課後……またここにおいで」





それだけ言うと、また椅子に座って

キーを打ち始めた。



私はそれをしばらく見てから、

保健室を出て教室へ向かった。






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