空ノ唄
嫌い
私が大人を嫌うのは、親の責だ。
私の親は喧嘩ばかりしていた。
お母さんは男をつくって出て行き、
お父さんは散々私に暴力を振るったあと、
女をつくって出て行った。
今、家に居るのはお兄ちゃんだけ。
お兄ちゃんは
学校であった不満などを私に当てる。
もう、22歳で一人暮らしも出来るのに
未だに家に居る。
だから、大人は嫌いだ。
知らないフリをした先生も嫌い。
自分の感情だけで動く。
相手のことは考えずに。
大人は全員同じ。
信じれる人は誰も居ない。
一人を除いては…
その人は
泥沼の中にいた私を助けてくれた。
沢田和樹。
隣に住んでいる幼馴染。
ひとつ年上で、
お兄ちゃんのように慕っていた。
和樹も私を
本当の妹のように接してくれた。