バニラエッセンス
「未成年と寝る気にはならないし、それに君、不器用そうだから」
「そんなことっ//」
「まぁここは救世主に任せとけって。
ほら、俺は君を助けるためにやってきたんだ。
君に助けてもらっちゃ、駄目だろ」
そう言うと瀬田さんは、手際よく紅茶――――ダージリンだって言ってたっけ――――を注ぎ、さっき喫茶店で注文したプリンをテーブルに置いた。
「召し上がれっ」
私はおそるおそる紅茶を飲んだ。
「どう?」
「美味しいです」
ほのかに香りがたち、癖も少ないその味は、お世辞抜きで美味しかった。
すると瀬田さんは「よかった」と笑顔になり、プリンをほお張った。