Evening
校門で先生数人が一列に並び新入生に挨拶をしていた。
「お出迎えっすか」
高橋君がボソッと言ったのが聞こえた。
「クラス二階だね、行こうか、高橋君」
僕達は学校に入り、げたばこを確認して教室にむかった。
教室にはもう大体の人数が揃っている。
高橋君は窓際の一番後ろに、僕はその隣に座った。
席に座るとほぼ同時に教室に先生が入って来た。
「はい、皆さん、入学おめでとうございます」
先生は黒板の真ん中に立って、皆の顔を見渡しクリップボードをチラチラ見ている。
「四人、来てないなぁ。入学式に不参加とは」
クリップボードを見ながら先生は肩を竦めた。
そして前を向き直し低い声て話し始めた。
「えぇ、皆さん高校生になっていろんな事が新鮮に感じるでしょう。ここは普通の高校とはだいぶ違いますが、留年などしないよう頑張ってくださいね。それと入学式についてですが....」
そのあと入学式の進行の話しが20分近く続いた。
途中、高橋くんが暇なのかちょっかいをだしてきたりした。
「えぇと、話しが長くなってしまいましたが、最後にあらためて。甲円高校定時制入学おめでとうございます。」