Birthday Present
第二章*すれ違い
『亮!!』
私は亮の元へ駆け寄る。
『大丈夫?ずぶ濡れじゃない…傘なかったの?』
『傘なんか持ってたら速くはしれねーだろ』
息をハアハアさながら私の顔を真剣に見つめる。
『まさか…私のこと心配して…』
『あたりめーだろ。こけて動けなくなってるかもしれねーし』
『そんなわけな……』
急に意識が遠くなり私は倒れそうになった。
『フゥ〜…あぶねー…』
亮が受け止めてくれたみたい。
『ごめん…』
『おまえよくみたら顔赤くね?体熱い…』
そう言うと亮は私のおでこの上に手をのせた。
『おまえ熱あんじゃん…雨で濡れて体冷えたからか…』
『白山…?』
そう言いながらこっちに向かって来たのは中沢君だった。
『中沢!!』
『あれ?美咲ちゃん…どうしたの?』
『ヤベーよこいつ熱あるんだよ』
『えぇ!?…じゃあ俺ん家もうすぐだから俺ん家で休んでいいよ』
『サンキュー中沢』
そう言うと亮は私の体を抱き上げた。
『大丈夫…自分で歩けるよ…』
『いいから!!』
激しい雨が降る中亮と中沢君は私のために走ってくれた。
亮の体は雨で冷たかったけどなんだかあたたかい気がした。
ドンドン体温が上がっていく。
何でだろ熱があるからかな?