Birthday Present



『美咲ちゃん一晩俺の家に泊まることになった』

『え……?』

家に泊まる?

じゃあ二人っきりになるってことか……。

『もう夜遅いし中沢は帰るか?』

『お…俺も泊まる!!あ…泊まってもいいか?』

中沢は少し考え、口をひらいた。

『いいよ。部屋はあの部屋使っていいから』

中沢が指をさす向こうには美咲と左隣りの部屋だった。

『布団しいてあるから。もう寝たら?』


『……そうだな…。じゃあ』

俺はドアを美咲が起きないようゆっくり閉め、布団の中に潜り込んだ。

『……美咲…大丈夫かな?』

心配で少し隣のドアを開けて、ドアの隙間から除いてみた。

『……ハァ……ン………』

『美咲…!?』

美咲は顔を青く染め、うなされていた。

俺はいてもたってもいられず、美咲の手を優しく握った。

『怖いか?…苦しいか?……大丈夫。俺がついてるから』

そう耳元で囁くと、美咲の真っ青だった顔色が普通になっていった。

『……落ち着いたか…じゃあ俺も部屋に戻……』

立ち上がろうとした瞬間美咲が俺の手をギュット握りしめた。

『い…や…私を一人にしないで……』

寝言…?

俺の手を握る美咲の手は少し震えていて、一人になんてできなかった。

『しかたない…』

俺は美咲の隣の床に座った。

『嫌……こないで……いやぁ!!』

『美咲!?』



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