Birthday Present
―荒川 美咲―



私は眠ってる間に怖い夢をみた。

真っ暗闇の中、私は何かに追い掛けられていた。

逃げても逃げても逃げ切れなかった。

次第に周りもさっきより真っ暗闇に染まりはててきた。

でもね、なぜか急に周りが明るくなって後ろから追い掛けてきたのもいなくなっていたの。

突然涙がこぼれてきたけどなんだか幸せだった気がした。


―朝―

『……ん……』

顔に光りがかかり私は目を覚ました。

『……ん……!!!』

隣をみると亮が同じベットに寝ていた。

『キャーー!!』

私は叫び亮をおもいっきり叩いた。

ガラッ!!

『美咲ちゃん!!どうしたの!?』

そういいながら入ってきたのは中沢君。

『中沢君!!』

私はベットから離れ、中沢君に飛びついた。

『み…美咲ちゃん?』

『りょ…りょ…りょ…亮が〜〜!!』

ベットの方を向くと亮が少し動いていた。

『……ってーなぁ…』

『ひっ!!』

中沢君にさっきより強く抱き着いた。

『おい美咲ぃー!てめーせっかく俺が面倒みてやったのに殴ることねーだろ!!』

『へ……?』

亮がこっちに向かってきた。

『おまえが行くなって俺の腕掴むから一緒にいてやったのに…!何しやがんだよ』

『え…そう…な…の…?』

頬を押させながら私を見てくる

もしかして心配してくれてたのかな…?

『あ…ありがとう…』

横を向きながら照れ臭そうに言った。

『な…なんだよ!いきなり素直になりやがって…キモいな…』

『キ…キモいとはないでしょ!?キモいとは!』

ありがとうなんて言わなきゃ良かった…!



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