Birthday Present
第三章*好き?
―部活―
『久々の部活だけど、容赦なくいくよ!まずグランドは他の部活が使っているから体育館を男子な邪魔にならない程度に…15周。始め!』
女子がいっせいに走りだす。
15周はきついよぉ……。
私は息をきらせながら走っていると男子がチラチラとこちらを見ているのに気がついた。
あれ…?亮と中沢君?
二人ともバスケ部だったんだぁ…。
フリースローラインから中沢君がボールを投げる。
その姿がかっこよくてなんだかキラキラしていて目がはなせなかった。
『美ー咲。さっきから何見とれてんの?』
隣を走っていた友花が私に声をかける。
『べ…別に見とれてなんかないし…』
『ふーん…本当かなぁ〜?』
嘘…本当は見とれてた。
だって好きな人が運動してる姿ってなんかかっこいいし…。
『ハァ…ハァ…づがれだぁ〜』
15周を走った女子達は床に座り込み息をハアハアさせている。
『…じゃあ次は―…』
部長の激しい練習は終了し後片付けをしている時、渡り廊下の辺りから足音が聞こえた。
『お!ちょうど終わってたか…』
そう入ってきたのは男子バス部長の小谷野先輩。
『えー…夏休みの間に合宿に行くことが決定した』
『が…合宿!?』
私が一年生の時は合宿なんてなかったのに……。
『男子も女子も一緒に行く。まぁ練習内容は違うけど。返事!』
『はい!!』
急な合宿…夏休みはもう少しなのに。
制服に着替えている時にはみんな合宿の話しばかりだった。