Birthday Present
『じゃあ次10番のペア』
『行こっか』
『うん…』
暗い夜道…
―ガサガサ!
『ひっ!!』
草が揺れる音に反応し私はピタッと止まった。
『風だから大丈夫だよ』
『う…うん』
私達が再び歩き始めると…
―ピト
何か冷たい物が私の首筋に触れた。
『キャーー!!』
私は中沢君に抱き着いた。
『大丈夫だって』
『わぁ!ごめん…』
私は抱き着いたことに気づきいそいで中沢君から離れた。
そして歩いいるといろんな人の悲鳴やガサガサッと言う音が聞こえて来て怖かった。
『ゴールまであとちょっとだよ。頑張ろう』
『うん……でもごめんね私のせいで楽しくな………』
私は一瞬にして体が凍り付いたように動かなくなった。
『美咲ちゃん……』
『っつー……』
目にしてしまったのは誰だかわからない女の子と抱き合っている亮の姿…。
―パキッ
私は地面にあった小枝を踏んでしまい音が鳴った。
その音で亮と女の子が振り向く。
『美…咲…』
目が潤んできて前が見えなくなってきた。
『美咲ちがう!誤解だ!』
『何が誤解な…の?別に訳なんて言わなくてもいいんじゃないかな…私には関係な……』
頑張って堪えていた涙がポロポロとこぼれだす。
私は暗い夜道の中急いで…前なんか見ないで走りだした。
亮や中沢君の声が聞こえる。
でも…なんて言ってるかわかんないや…
『っ……―』
なんでこんなに悲しいの?
亮なんてどうでもいいじゃん。
好きでもないのに何でこんなに悲しいの…?
―ズルッ
『ワッ…キャー…』
『美咲のヤツどこ行ったんだよ…!』