Birthday Present



―宿―

『はぁ〜…サッパリした』

『ここのお風呂広かったねー』

私は宿に戻ったあと友花と一緒にお風呂に入った。

部長には怒られずにすんだからよかった。

でも一つ気になっていることがある。

亮と抱き合っていた女の子のこと。

誰だったんだろ。

そして私はどうして泣いたんだろう。

―ガラッ

『美咲ちゃん。友花』

『あれ?小畑さん?』

『未織。どうしたの!?』

『ちょっと来て』

小畑さんは私と友花の手を引っ張り、廊下に出た。

―ガラッ

『白山君。中沢君おじゃまします』

連れて行かれた場所は隣の部屋の亮達の部屋。

『おまえら何で来てんだよ』

『いーじゃんいーじゃん』

座ろうとしたら廊下から声がした。

『みんなそろそろ寝たか…?』

『多分。じゃあ見回り行ってみる?』

『だな』

小谷野先輩と女子部長の渡辺先輩。

『ヤベッ!先生来るぞ!おまえらは隣の部屋に!』

私と友花と小畑さんは急いで隣の部屋に向かった。

『…わっ!』

―ベシッ!

隣の部屋に向かう途中私は自分の足に引っ掛かって転んでしまった。

『―何の音だ…?』

小谷野先輩がこっちに向かって来るのがわかる。

ヤバイ〜来る…どーしよう……

―グイッ

『……えっ…?』

私は誰かに腕を引っ張られた。



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