Birthday Present
何で今、私中沢君のこと応援できなかったの…?
声すらでなかった。
中沢君が私のことを見て手を振っているのが見えた。
私はニコッと笑い小さく手を振った。
私中沢君のこと好きなの…?
……好きだよね…?
初恋だよね?
体育館から出ていきみんなで宿へと戻った。
―宿―
『はぁ〜…白山君も中沢君もかっこよかったね!』
『うん…そうだね…』
『最後のシュート凄かったね〜』
『うん…そうだね…』
『もう!美咲!?』
友花が顔を近づけた。
『わっ!な…何!?』
『さっきからボートしちゃって!どうしたの?』
『いや…別に…何にも…ないよ…』
私は立ち上がり部屋にあった窓から空を見た。
空は夕日がでていて赤い色に染まっていた。
―コンコン…ガラ…
『あれ?未織…?どうしたの?』
『ちょっと…上がってもいい?』
『うん。いいけど…』
未織はゆっくりと襖を閉めた。
『どうしたの?』
『あのね…相談があって…』
『相談?』
『うん…』
未織は顔を赤く染め、モジモジしていた。
『私好きな人ができたの…』
『え…?誰?』
なんとなく嫌な予感がした。
『中沢君』