Birthday Present
第四章*失恋



中沢…君…?

嘘…だよね?

『え?未織それって本当…?』

友花がビックリした顔で未織に聞く。

『本当。今日のバスケの試合のあと私に向かって手を振ってくれたの。嬉しかった』

手…?

それって私に向けて振ってたんじゃないの…?

私の勘違いだったんだ。

中沢君と仲良くなれたと思ったのに。

だから手を振ったんだと思ったのに…。

『…でねっ!私明日中沢君に告白しようと思うんだ』

『明日って早くない?』

『告白するなら早い方がいいじゃない…あ!そろそろ戻らないと…じゃあ』

未織が部屋を出た。

『美咲…いいの、止めなくて…?』

『……いいの、中沢君に告白するのは自由だし止める権利なんて私にはないし…』

本当は絶対に嫌だった。

未織は未織は美人だし優しくていい人だから憎めなくて…。

だからすごく悔しい…。

『そ…そろそろ寝るから電気消すね』

『うん…』

友花はそのあと何も聞いてこなかった。



< 34 / 71 >

この作品をシェア

pagetop