Birthday Present
第四章*失恋
中沢…君…?
嘘…だよね?
『え?未織それって本当…?』
友花がビックリした顔で未織に聞く。
『本当。今日のバスケの試合のあと私に向かって手を振ってくれたの。嬉しかった』
手…?
それって私に向けて振ってたんじゃないの…?
私の勘違いだったんだ。
中沢君と仲良くなれたと思ったのに。
だから手を振ったんだと思ったのに…。
『…でねっ!私明日中沢君に告白しようと思うんだ』
『明日って早くない?』
『告白するなら早い方がいいじゃない…あ!そろそろ戻らないと…じゃあ』
未織が部屋を出た。
『美咲…いいの、止めなくて…?』
『……いいの、中沢君に告白するのは自由だし止める権利なんて私にはないし…』
本当は絶対に嫌だった。
未織は未織は美人だし優しくていい人だから憎めなくて…。
だからすごく悔しい…。
『そ…そろそろ寝るから電気消すね』
『うん…』
友花はそのあと何も聞いてこなかった。