Birthday Present
走っていると友花が急に止まった。
『ぎゃあ!!』
急に止まって私は転んでしまった。
『痛ったぁー…急に止ま…』
『静かに…!』
『ふぇ?んぐ…』
友花に手で口をおさえられ、茂みに連れて行かれた。
『…ぷはぁー。もう何?』
『だから!静かにして。ほら、あそこ』
友花が指を指す先には未織と中沢君の姿があった。
二人を見て一発でわかった。
きっと告白するのだろう。
こんな場面を見るのは二回目だ。
中沢君達にばれないように少しだけ顔をだした。
『中沢君…』
未織の声がよく聞こえる。
『かっこよくて、優しくてバスケが上手な中沢君は私の憧れでした』
未織の顔が赤く染まる。
『…私は中沢君のことが好きです…!』
未織の声が耳の中に響いてくる。
『俺は――』
お願い!
私はあの時よりも神様に強く願った。
『俺も好きだよ』
その瞬間目の前が真っ暗になった。
―パキッ
近くにあった小枝を踏んで音が鳴る。
未織と中沢君が私達がいる茂みを除きこんだ。
『ゆ…友花に美咲!?』
『美咲ちゃん達…』
『ふぇ!?…えっと…これはーその…』
友花があわてて言い訳を考えている。