Birthday Present
泣いて、泣いて、泣き続けた。
私が亮の腕の中で泣いている時ひ私の頭を優しく撫でる亮の大きな手。
悲しくて、苦しかったけど安心したのを覚えている。
亮…あなたは優しくてとても温かい人だったんだね。
“怖い"だなんて嘘だった。
『…もう…平気…』
『お…う…』
『あり…が…とう…』
『気にするなよ』
亮と一緒にみんなが練習している所に戻り先輩に帰って来たこてを報告した。
友花は未織と中沢君と一緒に戻って来たらしい。
そのあと、亮と二人で体育館裏で練習をサボり話していた。
『―でもさ…亮って何で私が中沢君のこと好きだってわかったの?』
『それは俺がおまえのことよく見て…』
喋っている途中、急に喋るのをやめて手を口にあてた。
顔が赤くなっていた。
『…なんとなくそう思っただけ』
『そう…なんだ…』
さっきは何を言おうとしたのかな…?
『でもありがとね』
『何が?』
『さっき亮が来てくれなかったら私きっと中沢君達の前で泣いてたと思うの』
せっかく両思いになれた二人の前で涙なんかみせたら二人の関係が崩れてしまうかもしれない。
『あとさ、亮に頼みたいことがあるんだけど』
『頼みたいこと…?』
『うん、それは――』