Birthday Present
―ガラッ
教室のドアを開けると、いっせいにみんなが私の方を見る。
『美咲ぃ〜!!どうだったの?何かされた??』
『…とくに何も…』
友花は残念そうな顔つきになった。
『なぁ〜んだ。つまんないの』
『つまんないって…』
ブツブツ言っている友花をほっといて自分の席に着く。
隣に亮の姿はない。
教室中を見渡しても亮が居なかった。
…もうすぐ授業始まるのに、どこ行ったんだろ?
―キーンコーンカーンコーン
『起立。礼』
授業が始まっても亮はこなかった。
ボーッと空を眺めていた。
窓側と言うこともあって空がよく見える。
『…わ…』
『……』
『荒川!!』
『はいぃっ!』
私は勢いよく席を立つ。
『何ボーッとしてんだ!…この問題解いてみろ!!』
先生が黒板をバンッ!と叩く。
最悪。よりによって怒るとめっちゃ怖い加藤 夏美先生の時にボーッとしてしまった…。
夏美先生女なのに怒る時は男っぽい口調になるからやなんだよなぁ〜。
『早くしろっ!』
『…えっと……わかりません…』
ハァっと先生がため息をつく。
『やる気がないなら廊下に立ってなさい!』
私は教室から追い出された。
『あーもう最悪。…まぁ授業受けなくてすむからいいけど…』
私はその場に座りこんだ。
『…床汚いな…』
私は教室の後ろのドアをみんなにばれないようにそーっと開けて雑巾をとった。
『もう!私汚いの嫌いなんだからやなんだよね』
ブツブツ言いながら私は床をふいた。
『よしっ!完璧。私偉くない?』
ピカピカにした床に座った。