Birthday Present



校門を出ると帰り道をひたすら走った。

これでこの恋は終わりか…。

そう考えると少し涙が溢れてきた。

好きかどうかわからなくなっまた時もあったけど…好きでした。

中沢君のことが。

走るスピードを少しずつおとし、歩いた。

自分の髪を顔の前に持ってきて見つめた。

方向を変えて私は違う道を歩きだした。

―カランコロン…

向かった場所は美容室。

『いらっしゃいませ、こちらへどうぞ』

美容師の人に誘導され、椅子に座る。

『どのような髪型にしますか?』

『ばっさり切っちゃって下さい』

迷いなくそう言うと美容師の人は少しビックリした顔をした。

髪を切るなんてすごく久しぶり。

ずっと切っていなかったから。


―カランコロン…

『ありがとうございました』

美容室を出ると切ったばかりの髪を頭で撫で下ろす。

これでこの恋も終わりか…。

さよならだね…私の初恋。

私は背筋をピンッとのばし、一歩踏み出した。



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