Birthday Present
第五章*新しい私



笑って泣いた私の初恋。

喜んで悲しかった私の初恋。

長かった髪を切って終わりにした。

長かった髪の分傷ついた心が少し軽くなった気がした。

あなたとすれちがってもきっと笑って言えると思う。

“おはよう"って。

私は新しい道を一歩すすんだのだから。

合宿が終わり、夏休みが終わり、今日からいつも通りの一日が始まる。

―ガラッ

『おっはよー!』

『あ、美咲おは…ってえぇ!?か…髪』

『切っちゃった』

ペロッと舌をだして言った。

友花はビックリした顔で私の短くなった髪を見る。

私に近づき耳元でボソッと言った。

『それって…失恋したから…?』

『ん…そんなとこかな?』

『あ!でも似合ってるよ』

『ありがとう』

なんとなく教室を出て長い廊下を歩いた。

『あ…』

廊下を歩いていると中沢君の姿がの目にはいった。

『み…美咲…ちゃん』

『中沢君、おはよう』

ニコッと笑い今まで通りな感じで挨拶をした。

『お…おはよう』

『美咲ー中沢君、おはよう』

走りながらこっちに向かって来たのは未織。



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