Birthday Present
『未織、おはよう』
そう言うと私はまた長い廊下を歩いた。
『あれ?美咲、髪切ったんだね』
『……そう…みたいだな…』
中沢君と未織の話し声がかすかに聞こえた。
内容までは分からなかったけど。
太陽の日差しが窓を通して私を照らす。
渡り廊下に出ると風が吹き、私の短い髪がフワッとひろがる。
視線を感じ、後ろを見てみた。
『亮…?どうしたの、こんな所で』
『…』
亮からの返事はなく、ただ私を見つめていた。
『…白山亮!!』
『うわぁっ!』
―ドスンッ
私がいきなり亮の顔に近づいたせいか、亮が尻餅をついた。
『どうしたの?ビックリしたぁー』
『俺だってビックリしたよ、いきなり顔近づけんなよ』
『ん、あーごめん。だって私のこと見てボーッとしてたからつい…』
亮が立ち上がり、また私のことを見た。
『な…何よ…』
『おまえ…なんか変わったな』
『髪短くなったしね』
『そういうのじゃなくて、ふいんきがなんか大人っぽくなったていうか…キレ……』
亮の顔が急に赤く染まる。