Birthday Present
『キレ?』
『あ…っと…おー…』
急に戸惑い始める亮だが、私の頭の中にはハテナが浮かんでいた。
『…キレ…なくなった』
『はぁ?どういう意味?てか、さっきの最初の言葉となんか矛盾してる気がするんだけど』
目を細め、唇を尖らせる。
『ワリイ、ワリイ』
『もぉー…』
今思えば亮とこんなに親しくなれたのって中沢君のおかげかもね…。
―キーンコーンカーンコーン…
チャイムがなり、私と亮は急いで教室へと戻った。
『今日はまず、席替えをする』
『席替えー。めんどくさぁー、今のままでいいじゃん』
『やったぁー。やっと席替えできる!』
喜ぶ人とめんどくさそうにしている人がいる。
私はいたって普通。
『じゃあ、順番に並んでくじ引いて』
列に並んでくじを引く。
紙をひらくと書いてあった文字は6番。
今度は廊下側の後ろの席。
『じゃあ、黒板見て席移動開始』
みんなが机を引きずりながら席を移動する。
亮と隣じゃなくなるのもそれはそれで寂しい気がした。
机を番号の所に移動し、席に座った。
隣は誰だろう?
隣の席の人が座る方を向いた。
机に肱をついて座っていたのは…。