Birthday Present
『…亮?』
『あぁ?…隣また美咲かよー、つまんな!』
『それは私の台詞よ』
亮から目線を外した。
また亮が隣か…。
『じゃあ次は、うさぎの世話係を決める』
『『うさぎ!?』』
みんなの声が同時に重なる。
『先生、うさぎ何ていましたか?』
『昨日やって来たんだよ、可愛いぞー』
『はぁ〜…先生が世話すればいいじゃん』
目がハートになりかけている先生に気にせずにみんなが言葉を続ける。
『めんどくさいですぅ』
『何っ?みんなあの可愛い「奥山」の世話ができるんだぞ』
『奥山…?…うさぎの名前?』
『当たり前だろ、なかなか良い名前だろ?先生がつけたんだ』
先生が自慢げに言う。
その姿に呆れたのか、もうみんなは何も言わなくなった。
『じゃあ、世話したいやついるか?』
みんなが一斉に先生から目線をそらす。
私もその中の人。
『…じゃあこのくじをつかって、その番号に座っている二人が世話係にしよう』
先生が箱の中をゴソゴソとあさり、一気に二枚紙をひいた。
『えーっと、まず一人目は……11番』
11番って誰だろう。
みんなが教室の中を見回す。
見回していたら先生の声が聞こえた。