Birthday Present
―放課後―
私と亮はみんなが帰ったあとも教室に残り、先生を待っていた。
そのせいで部活も休んだ。
行きたかったな…。
―ガラッ
『二人とも、さっそくうさぎ小屋に行くぞ』
『『はーい…』』
先生の後ろを二人で歩く。
裏庭に出ると雑草が数えきれないほど長く、たくさん生えていた。
制服だった私は草が足に触れて痒くなった。
うさぎ小屋の前に着くと、小屋は想像していた大きさよりは小さかった。
『奥山ー』
先生がうさぎ小屋の中に手を入れ、うさぎを抱く。
『はぁ…奥山可愛いな』
うさぎをギュッと抱きして、満面の笑みをみせる先生を見ていたら寒気がしてきた。
亮はア然としている。
『…じゃあ今日から奥山の世話頼むぞ。まず今からエサでもあげるか』
そう言うと先生はポケットからうさぎのエサを取った。
『じゃあ亮、この皿にエサおいてくれ』
『え…あ、はい』
亮はエサをつまんで皿にのっけると奥山が先生の腕をすり抜けてエサを口に入れた。
『奥山…お腹空いてたんだね』
しゃがんで奥山を見つめる。
『先生は行くけどしっかり奥山の面倒を見るんだぞ』
『はぁーい』
『はいはい』
先生は校舎に向かって歩いて行った。