Birthday Present
『さてと…とりあえず、小屋の掃除でもするか。俺が掃除するからその間美咲が奥山の面倒見てろよ?』
『え……』
亮の質問に対して私はすぐに言葉がでなかった。
『え…って、ほら、奥山持っとけ』
亮が抱いていた奥山を私の顔に近づける。
『ひゃあ!!』
奥山顔が近づいた時私はびっくりして尻餅をついた。
『美咲?大丈夫かよ…』
亮が私に手をのばし、私を立たせる。
『はら、美咲が持っててくんねーと掃除できねーだろ?』
『ごめん……見るのはいいんだけど、触るとか無理』
『はぁー…ほら!』
また亮が奥山を私の顔に近づける。
『のわーっ!!』
尻餅はつかなかったけど今度はしゃがんだ。
『おい美咲……』
亮が何かを言いかけた瞬間、奥山が亮の腕をすり抜けて、逃げて行った。
私はその姿を動かずに見ていた。
『ちょ…美咲!ボケッとしてねーで捕まえろよ、奥山逃げてんだぞ?』
そう言うと私の腕をグイッと引っ張り奥山を追いかけた。
『奥山ー!止まれ』
私達は必死で奥山を追いかける
走りすぎて息も徐々にきれいく。
『ヤベーぞ校門から出そうだ!』
『お…おく…や…ま…』
息がきれて上手く話せなくなる。
奥山が校門から出る直前奥山が誰かにぶつかったのが見えた。