Birthday Present
『ふぅ…世話完了!』
『疲れたぁ』
私はその場にペタリの膝をついた。
『お前最初よりは奥山に慣れたんじゃね?触れてたし』
『まぁね、お世話大変だったけど…』
奥山が逃げたせいで世話の時間が長引き、外は暗くなっていた。
『そろそろ帰んねぇとな…』
『そう…だね…』
スカートについた草を手ではらいながら立ち上がった。
外真っ暗で怖いなぁ。
鞄を持ち、空を眺めていたら頭にポンッと手がのった。
『送ってやるからさっさと帰るぞ』
『う…ん…』
私の言葉と同時に亮が歩きだす。
もしかして…怖がってるの気づいたのかな…?
ってそんなわけないか…。
校舎の明かりは職員室のみのくらい校舎。
校門をぬけるといつも通りの帰り道が見える。
暗いぶんなんだかまったく違う道に感じた。
歩いていたら急に後ろが光った。
『おい、危ねぇぞ!』
『へ?』
―グイッ
光っていたのは車のライト。
亮が私の体をそっと抱き寄せる。
車から守ってくれたのだろう。
『ったく、危ねぇなあの車、夜道にスピードだしすぎんなよ。美咲、大丈夫か?』
『う…ん』
―ドクンッ
私の胸の鼓動が少し高くなり始めた。